一条工務店ブリアール。2015年2月に入居した我が家ですが、もともとこの場所には義実家の『はなれ』がありました。
いちお電気はきているものの人が出入りすることはめったになく、物置として使っていた築40年の古いはなれ。
白アリ被害がひどく老朽化が激しいし、鍵が簡単に壊せそうなドアだったのでセキュリティ的にもそろそろなんとかしよう……となってきたころ、子どもも大きくなってきて義実家の2階だけではスペースがたりなくなってきたので思い切ってはなれを建て替えることになったのでした。
『はなれ』だった家
これが建て替える前の『はなれ』右に見える茶色いドアから出入りしていました。
夫のおばあちゃんが生きている頃は普通に住宅として使っていたそうなのですが、今から約10年前(2005年頃?)義実家の母屋を建て替えたことによって完全な物置に。
この土地にずっと住んできたお義父さん、『お庭はつぶしたくない』
結婚したばかりのお義父さんとお義母さんがこの庭で撮った写真、残っています。小さな小さな夫がこの庭で遊んでいる写真、残っています。
私は数年しか住んでいないけれど、たくさんの歴史と、思い出が残っている庭。
『庭を残したい』もちろんその気持ちはわかるし、お義父さんが趣味で植えた果物の木もできるかぎり残したい。お義父さんの育てた果物、おいしいのです。時間をかけて大切に育ててきた木。とっても立派な木です。
そんなわけで『はなれが建っているところに、同じ大きさの新しい家を建てる』ということになりました。
衝撃!初めてもらった図面で見たオウチの大きさ
一条工務店で建てる、と決まっていなくても、地盤調査や『どのくらいの大きさの家を建てるか』で、かなり早い段階で土地の大きさと『こんな家のカタチになります』という図面をいただくと思います。
これから家を建てていくんだ、という夢と希望にあふれた素晴らしい時間のはじまりですよね。
だいたいの間取りの要望は伝えてありますから、『どんな間取りになったんだろう』というのに目が行きがちだったのですが、そのときはじめて『我が家の土地全体』の図面を見たんです。
それがこれ。
処理汚っ!!(すみません……)ピンクの線の内側が敷地。右上が母屋。
かなり離れのギリギリまでお庭(木)があるので工事大丈夫かな……と思ったのと、『家…長細いな…』というのが感想でした。
お庭をそのままで、ということで利便性を考えて南が玄関に決定。でもリビングも南に欲しい。細長い家なのでもう間取りの自由度は最初からまったくない状態に。
そしてふと目線が下に……
ん……?
んんん?
フュージョン!!あ!!!
おいこの家、倉庫より小さいぞ!
ど田舎生まれの私。どのくらい田舎っていうと、実家は100坪で家賃が3万でした。(この時代、五右衛門風呂にボットン便所だったけどね!)まわりもそんな大きさの家ばかり。
そして嫁ぎ先もまわりが田んぼだらけの田舎。農家なので土地もちばかりでまわりは大きなオウチばかり。
なにが悲しいってこのいただいた間取り、2500万ですよ奥さん。2500万で倉庫より狭いオウチしか建てられないのかと。実家が家を建てたときは建坪60で3000万くらいだったのに。
一条さんの坪単価は住宅メーカーのなかでは高めとはいえ、衝撃の世界だったよ。家、高い!家、怖い!
とはいえ一条工務店で建てると決めた、木が生えてるのだからこれ以上大きくできない。ということでこの倉庫より小さくて、細長いカタチの中でなんとか家を完成していくことになりました。
お義父さん、それは早く言ってくださいよ
細長くて小さい、という自由度が低い間取りのなかでなんとか完成させた図面。
2014年の夏。はなれの解体工事がはじまりました。
写真のように、お義父さんの意向をくんで『お庭は残す』方向で進んでいった解体。
私はここに住んだことはないですし、住んでいた夫の祖父母に会ったこともありません。それでもチョットしんみりしてしまいました。1つの時代が終わるのを見たような。これから建つ我が家もいつか、こうしてつぶされる日がくるんだろうか。お義母さんが涙ぐむのを見たせいかな。
そしてここまで壊したときお義父さんが一言。
『やっぱり庭もつぶしてしまおう。手入れするのが大変だから』
な!!!に!!!
お義父さんの微妙な心境の変化もなんとなく理解できます。解体された家を見たからこそ決意できることだったのかもしれません。
走り回るようになった息子が、お庭にある池に落ちてしまわないか心配してくれたのも知っています。
でも!それは!もっと早くに決断してほしかった。
庭をつぶさないように細長い家にするしかなかったこと。玄関を南にしか持ってくることしかできなかったこと。庭をつぶすなら、玄関の位置を変えることもできた。
階段の場所1つ動かすのにどれだけ図面とにらめっこしたか。
同じサイズでも、もっと間取りに自由がきいたかもしれない。
カタチは変えないにしても、お隣さんとの距離をもう少し離せたかもしれない。
結局いくつかの果物の木を残して、更地にしてしまいました。でももうこのときには図面の変更はできないところに来ていました。
家づくり大失敗点
我が家は特殊な例かもしれません。ふつうはみなさんきちんと『駐車スペース』や『お庭の場所』も決めて間取りを考えていきますよね。
私たちの設計士さんも更地になるなら、きっともっと駐車スペースのことやお庭のことまで考えた間取りを提供してくださったと思います。
更地にしたはいいけれど、更地になることを前提としていないブリアールの新居。
玄関の向き、家の位置、『更地になってしまった庭』を基準でみると、かなり使い辛い家になってしまいました。
この『カタチ』の中で、なんとか後悔のない間取りを…と設計士さんたちと作った家なので、家の中にいるときは快適なのですが……
もしはじめから更地なら、というのは外構をみるたびに思ってしまうことです。
以上、我が家を作っていく中での最大の失敗点のお話でした。
ウィィィィィィィィン…
お義母さん『あんたら、ウチが庭つぶさんかったらどうやって家建てるつもりやったの!』
私(大丈夫言うてたけどな…確かに謎や)